事務所 ほんまごめん

メモ程度に書きます

ジャニーズ舞台『ANOTHER』って何?その②

 

その①にひきつづき『ANOTHER』の内容について

 

■『ANOTHER』ストーリー(2幕)

丸山と安田もハリオス達の儀式を目撃する。村上と横山がどうやって島を脱出しようか考えていたら、丸山が船を見つけたと言う。皆はよろこび、その船で自分達の故郷大阪へ帰ろう!と言い出す。しかし村上は、船はハリオス達の所有物、盗みをしてまで大阪に帰れないと言い放ち、自分は残ると言う。しかし、横山に説得され全員で船に乗って帰ろうとするのだが、またしても、もの凄い嵐にあい島へ引き戻されてしまう。

そんな中、島では船が無くなったと大騒ぎになっていた。キララは、嵐の中遭難しかけている6人の姿を発見し、ハリオスに助けを求める。しかし、ハリオスは「あんな罪人達を助けなくてもいい」と協力的ではない。その気にならない理由は他にもあった。実はハリオスはキララの事が昔から好きだったのだが、キララはシンゴの事を好きになってしまったようだ。キララの説得もあり、6人は助けられるのだが、船を盗んだことを責められる。そして盗んだわけを話していくうちに、謎の住民たちは被爆者で、日本政府が十分な補償をしようとしないことに失望し、理想の島を求めて日本を脱出したのだと打ち明けられる。戦後50年以上たっても残る戦争の被害。少年たちは何を考え、何を思うのか。そして彼らは島を脱出できるのか?

 

 

⑧慰霊の儀式

謎の人物たちの若者のリーダーハリオス(すばる)が中心となって慰霊の儀式が行われ、その様子を丸山と安田が目撃する。村上と横山が脱出の方法に頭を悩ませているところに、丸山がやって来て「船を発見した」と伝える。しかしその船はハリオス達が慰霊の儀式を行うために、隣の島から渡るために利用していた船だった。その船を盗んでまで大阪には帰りたくないという村上に対し、横山は「1番の友達を置いていくわけにはいかない。大阪に帰ろう」と説得する。そしてみんなで船を盗み、島を脱出するのだが、大嵐に会い再び島に引き戻されてしまう。嵐の中で遭難する6人を発見したキララはハリオスに彼らを助けようと言うが、ハリオスは罪人を救うことはないと拒否する。しかしキララに説得され…

(ハリオス)彼たちは俺たちの船を勝手に盗んで出ていったんだ。ほっとけ。

(キララ)でもこの嵐じゃみんな死んでしまうわ。

(ハリオス)彼らは罪人だ。これは天が与えた罰だ。

(キララ)黙って見ているわけにはいかないわ。そこに苦しんでいる人がいるのよ

(ハリオス)それだけか?あの中には奴(シンゴ)がいる。キララが宝物をあげたアイツが。

(キララ)誰だろうと関係ないわ。目の前で人の命が消えていくのを見たくないだけ。ねぇハリオス、わかるでしょ?

(ハリオス)<考える>命の重さは何にも代えられない。セーニャ(リーダー)に話そう。みんなに話して協力してもらおう。

 

【補足】ハリオス(すばる)はキララに片思いをしています。しかしハリオスは、キララが初めて会った村上に、大事な首飾りをプレゼントしているところを見てしまっていたようです。キララの「目の前で人の命が消えていくのを見たくないだけ」というセリフですが、ジャニーさんが和歌山の大空襲で目にした、紀ノ川から多くのご遺体が流れてきた時や戦争の経験が反映されているのかなぁ?と考えています。

 

⑨謎の人物たちと少年たちの争い

謎の人物達(ハリオス達)に助けられた少年たちは、礼を伝える。そして彼らが何者かを尋ねます。

(村上)日本人なんですか?

(セーニャ)日本人だったこともあるわ。私たちはあの国を捨てたの。今の私たちはユートピアの住人。

(浜中)ユートピアって何?

(キララ)素敵な世界ってことよ。私たちが人間として生きていける唯一の世界

(ハリオス)説明したってこいつらにはわからない。さて、こういつらどうする?<ほかの謎の人物たちに問う>

(謎の人物(ユートピアの住人))殺っちまおうぜ。こいつらは罪人だ。

(村上)罪人…

(キララ)あなたたちは罪人。私たちの大事な船を盗んだでしょ。

(セーニャ)あなたたちは罪を犯しました。あなた達の名はこの島の歴史に初めて犯罪を起こした人物として残るでしょう。

(キララ)どんな小さなモノでも盗みは盗み。大袈裟なんて言って事実を見ようとしないなんて、心汚れています。

(横山)ちょっと待ってーや。俺らの話も聞いてくれや。

(丸山)俺らはただ日本に帰りたかっただけなんや。

(ハリオス)言い訳は聞きたくない。みっともないぞ。

(内)罪って。たかがちっぽけな船一つだけやろ。

(ハリオス)そのちっぽけな船が俺には大事な船だ。

(村上)謝ります。本当にすみませんでした。

(ハリオス)形だけ謝れば、すべて許されると思っているのか?

(横山)俺たちはただ帰りたかっただけや

(ハリオス)なんて口の利き方だ怒<横山を殴る>

 ユートピアの住人と少年たちの乱闘、そう毎度おなじみジャニーズ的ウエストサイドの始まり

 

【考察】ジャニーズの舞台で、ふたて(赤と青)に分かれて争いを始めたら、それはウエスト・サイド物語の始まりです。ウエストサイドでは、その争いのせいでトニーが亡くなります。ここで理解をしないといけないのは、争いによって「命」が奪われるということです。そしてその争いは、武力を以ってして解決しないといけないことだったのか?という問いがあります。ジャニーさんの作品では「争うことの愚かさ」がテーマになっています。これはおそらく、ご自身が和歌山の空襲アメリカで生まれた自分が、日本でアメリカ軍から攻撃を受けているやるせなさ)で感じたことを取り入れられているのだと考えています。

 

ユートピアの住人と少年たちの和解

(セーニャ)やめなさい。このまま戦っても憎しみが増すばかりだわ。あなたたちの事情はよく分かっているのよ。だからと言って罪を犯してもいいってわけじゃないのよ。

(村上)おっしゃる通りです。

(ハリオス)君たちが流れ着いたこの島は神聖な墓場の島なんだ。今日8月6日は俺たちにとって大切な日なんだ。

(セーニャ)もう50年以上前、広島に原爆が落とされたことは知っている?

(村上)はい…

(横山)なんの話?

(村上)戦争の話、世界で初めての核や、広島の街が吹っ飛んだんや。

(横山)そんなん知らんわ。

(ハリオス)やっぱりお前は何かが足らんな。

(キララ)私のママ(セーニャ)やこの子たちの親はその時まだお腹の中にいたの(体内被曝)。

(村上)お母さん?

(セーニャ)キララは私の一人娘よ。永遠に消えることのない放射能はまだ生まれてもいない私たちの体に入り込んでいる。

(ハリオス)そして、その子供(被爆3世)にも体内にも放射能が入り込んでいる。

(丸山)放射能ってなんかやばいの?

(ハリオス)死を呼ぶ悪魔だ。

(内)じゃ、ここにいる人達…みんなはいつかは死んでしまうの?

(ハリオス)はっきり言うなよ

(セーニャ)放射能のせいで私たちはいつ死んでもおかしくない体なの。

(キララ)あそこの墓地で眠っている人も、無理やり命を奪われて天へ飛び立ったわ。

(村上)でも、そういう人たち(被爆者)には国が何とかするんじゃないんですか?詳しくは知らないですけど。聞いたことはあります。

(セーニャ)口先だけの同情や、少しの見舞金は貰ったことはあるわ。でもそれだけ。体内被曝者の子供には何にもよ。

(ハリオス)後はさ、苦しみ抜いて死んでいくまではほったらかしらしい。心無い国だよ日本は。だから捨てたんだよ日本を。

(セーニャ)この島から少し離れたところに、私たちのユートピアがある。

(ハリオス)同じ運命を背負った者たちだけで作り上げた唯一の世界だ。体の中に悪魔がを持つ俺たちが生きるもう一つの島。

(キララ)8月6日には必ずみんなでこの島にやってくるの、お墓参りにね。

(内)あなたたちも苦しんで死ぬんですか?

(セーニャ)きっとね。だからそれまでは楽しく生きていきたいの。素直に純粋な心で。みんなそう思ってる。

(横山)すごいなぁ思って。だってなぁ死ぬのが分かっても一生懸命生きてるんやろ?なんかそれってかっこいいやん。

(安田)そうかな?

(内)そやなぁ、俺たちなんか日本に住んでた時、何も考えんで生きてきたやろ?なんとなく毎日を過ごしてたって言うか、それに比べてハリオスはすごいな…

<ハリオス歌う>【祈り】

 

 

【考察】胎内被曝者への遺伝的影響に関する医学的見地、被爆者への補償に関してここでは述べませんが、けっこうがっつり戦争の話がストーリーに組み込まれ、また政府批判が入っています。中高生がアイドルを通じて戦争を知るってけっこう意義のあることだよねーとか思っているんですが。また、「セーニャ」はウエスト・サイド物語に出てくる「ドック」(若者たちに忠告し、争いを止める)の役割を果たします。USJのNYエリアにウエスト・サイド物語のドックのお店「DOC’S CANDY STORE」があります。嵐の櫻井くんがウエストサイドに出演した時に、このお店の前で雑誌の撮影をされています。行く機会があれば覗いてみてください。ジャニーズの舞台において、この争いを止める役は「杖をついたおじいさん」の時もあります。このおじいさんはいろんな意味が込められているので、またどこかで書きます。

 

⑪シンゴに隠された衝撃の事実

嵐に遭ってケガをした少年たちにキララが薬を塗ります。その時、シンゴのお腹に大きなアザを見つけます。

(村上)このアザ?これ小さい時からあんねんけど、親父も全く一緒のところにあんねん。笑ってまうやろ?

(セーニャ)<心の声>間違いないわ、あの人にも同じところにあった。じゃシンゴは私の…

 【補足】なんという事でしょう!!シンゴはセーニャの子供だったのです。セーニャはシンゴを生んだが、何の罪もないこの子に放射能という運命を背負わしてしまった事に耐え切れなくなってキララを連れお父さんのもとを去ったのです。シンゴは父から母と姉は事故で亡くなったと聞いていましたが、母娘の写真が一切ないことから、父親と仲違いして家を飛び出したのではないか?と思っています。シンゴは母が生きていることを信じています。そしてセーニャはシンゴから父親が3年前に癌で亡くなったと聞かされ涙します。動揺しているセーニャを見て、シンゴは勘づきます「セーニャは僕のお母さんなのか?」そして、同時にキララも気付きます「シンゴは私の弟?」

 

⑫シンゴとキララの恋が終わる

岩場で物思いにふけるシンゴのもとにキララがやってきます。お互い惹かれ合うものの、もしかすると姉弟かもしれない。姉弟と確認すれば恋が終わり、そしてシンゴは被爆3世という事実に向き合うことになってしまう。2人は事実を確かめ合うのか?というシーン

(キララ)ねぇ日本ってどんな国?

(村上)どんなってなぁ……キララは覚えてないの?

(キララ)覚えてないの、小さい時に住んでただけだから

(村上)日本のどのへんに住んどったん?

(キララ)あなたは?

(村上)俺は大阪やがな

(キララ)私も……いえ、私は東京にいたの

(村上)<沈黙>……そっか

(キララ)私、負けない。勇気をありがとう。だから、あなたもたとえ……

(村上)たとえ?

(キララ)なんでもないわ……

 【補足】キララは「私も大阪に住んでいた」という事実は告げずに「東京にいた」と嘘をつき、シンゴに姉弟ではない、シンゴは放射能に悩まされることはないんだということを「東京」というフレーズを出して伝えます。しかしシンゴはずっとどこかで生きていると信じていた姉がキララであることを確かめたくて仕方がありません。恋が終わろうとも…

(村上)この島に来てよかった、日本にあるものはないけど、日本にないものが全部ある。この島に来てよかった、、、けどキララに会ってから、好きになったらアカンねんなって…

<キララに向かって>何か言うてくれ!!! 俺は苦しいねん、キララ

(キララ)私もシンゴが大好き、でも私たちは

(ハリオス)<遠いところからキララを呼ぶ>お~い、キララ~

 【考察】ジャニーズの舞台では、この近親相姦は「姉弟」「兄妹」で表現され、お互いの思いを確認してから、泣く泣く別れる、決して成就しないんですよね。恋が成就してから、兄妹と気づくっというのは今まで出てきていないと思います。「一目見て運命的な恋に落ちるが、運命によって引き裂かれる」をベースに、シェイクスピアの『十二夜』第二幕第四場の「打ち明けられない恋心」を重ねている演出をされることが多いように思います。(虎者は一瞬で恋に落ちたという感じではなかったので、ジャニーさんぽくないなぁなんて思ったのですが、いかがでしょう?)

 

⑬ハリオスとシンゴの和解

ずっと近くでキララのことを見守っていたハリオスは、キララがシンゴを愛していることを受け入れます。キララは放射能の後遺症に苦しむ人を多く目にし、いつか自分にも放射能の影響が出るのではないかと恐れていたのです。キララが苦しむ一方、ハリオスは前を向いて生きていこうとしています

(ハリオス)キララはいつでも死を怖がっている。生きる勇気がないんだ。

(村上)しょうがないやろ、体の中に放射能という「死の悪魔」がおんねんから。

(ハリオス)俺だって同じだ。でもな、今は、悪魔は眠ったまま。だから生きてる今を輝いて生きた方がいいだろ

(村上)でも、未来を知ってしまったら絶望するやろ?俺だって…

(ハリオス)俺だって?お前も放射能に侵されているのか?

(村上)いや…

(ハリオス)バカなこと言うなよ。俺たちだけさ、何も罪を犯していない「死刑囚」は

(村上)死刑囚…

(ハリオス)俺たちは、毎日いつ扉が開くかわからない死への道を歩いているんだ。

(村上)死への道?

(ハリオス)俺さ、両親とも体内被曝者で去年発病して死んだ。一緒にだぜ、仲のいい親だったけど…。本当は怖いんだ、でも怖いと思ったら生きていけない。怖さに押しつぶされそうになる自分が嫌なんだ。負けたくないんだ。

(村上)羨ましいくらい強いなハリオスは。俺もそういうとこ見習っていかんとな。

(ハリオス)俺は小さい時にこの島に来たから、日本のことは知らない。この島のことは嫌いじゃない、けど生きてるんだから違う世界も見てみたい。

(村上)でも、日本に来たら失望するで。自然も心も汚れてる。

(ハリオス)その現実を一度でいいからこの目で見てみたいんだ。

 【補足】ここで、ハリオスが日本へ行ってみたいと言った事で、少年たちと一緒に日本へ行くこととなります。日本へ帰る船はユートピアの住人(セーニャ達)が準備してくれることになります。また、ハリオスはシンゴとキララが姉弟だったことはまだ知りません。

 

⑭島から脱出、シンゴは2度目の母との別れ

セーニャ達が用意してくれた船で、少年たちはハリオスと一緒に日本に帰ることとなります。しかし、シンゴは浮かない表情を浮かべます。なんとシンゴは、ユートピアに残る決心をしていたのです。どうせ日本に帰っても独りぼっち、しかも自分の体の中には「死の悪魔」が潜んでいる、それならばいっその事ユートピアに残って、同じ境遇の仲間、そして本当の母親・家族と暮らすことが幸せではないかと考えたのです。しかし、セーニャ(母親)は島に残ることは反対します。

(セーニャ)いけません!!あなたはここに居てはなりません。日本に帰るのです。

(村上)俺はここに居たいんです。だって俺の体には「死の悪魔」が…

(セーニャ)違います!!(あなたの体に死の悪魔なんていない)

(村上)俺にとっても、もう一つの世界(ANOTHER)かもしれないんです。ここに残りたいんです。

(セーニャ)それは違います。ここは私たちにとっては唯一の世界かもしれないけど、あなたにとっては別の世界です。シンゴ、あなたはここに居てはいけない。日本に帰って強く生きていきなさい、お父さんのように……。

(村上)でも、俺が日本に帰っても、どうせ独りぼっちなんです。

(キララ)いいえ、あなたを見守っている人は必ずいるわ。

(セーニャ)そうよ、たとえどんなに離れていようとあなたを見守っている人が必ずいるわ。

(少年たち)シンゴさん、わがまま言わないで一緒に帰りましょ~俺たちがおるやん

(キララ)シンゴ、あなたは一人じゃないわ

(村上)<キララへ島の宝の首飾りを返そうとする>これ返します

(キララ)これは、お母さんが小さい時に作ってくれたの。幸福のお守り。私のお母さんが作ったのだから、シンゴに持っていてほしいの。日本にかえって幸せになってね。

(村上)お母さんが作ったの?俺死んでもこれを離さない。

 【考察】この辺りの話のベースも牛若丸だと思います。ジャニーさんは「捨て子」のストーリーが非常に好きなようで、他にもオイディプスを取り入れていることがあります。要は、幼きときに捨てられたんだけど、いつか本当に母親に会いたいという思いを抱きながら主人公が強く生きていく話です。ジャニーさんの中の牛若丸のストーリーでは、牛若丸は母親から「母の思い出」として笛を持たされて捨てられます。ですので、この「首飾り」は「牛若丸の笛」であって、辛いことがあっても「首飾り=母」が励まし、困難を乗り越える力をくれるモノだとい言うことを、観客に伝えています。

(村上)ハリオス、お前の冒険が終わったらキララのこと頼んだぞ。

(ハリオス)キララのこと?

(村上)キララに前を向いて生きる勇気を与えられんのは、お前だけや。

ーーーー場面変わるーーーーー 

(村上)セーニャ、一つお願いがあります。ここの墓におやじも入れてやってもらえませんか?おやじ独りぼっちやし、ここならセーニャもキララも墓に来てくれるやろうし

(セーニャ)お父さん嫌がるんじゃないかな。その気持ちだけで十分よ。

(村上)じゃ、俺が死んだらここの墓に入れてもらえませんか?セーニャやキララと一緒に

(セーニャ)シンゴ…

 

(キララ)<ハリオスに向かって>シンゴはわたしの弟なの

(ハリオス)えぇ弟?

 【考察】村上くんとセーニャが話している場面と同時に、舞台の左端でキララとハリオスが会話をしています。2つの場面をいっぺんに演じる演出がされます。これもシェイクスピア・マジックの1つで、ジャニーさんもこの辺りを意識して演出されたのではないかな?と思います。

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⑮島を脱出、島での出来事、そして亡くなったリョウのことは一生忘れない

シンゴがセーニャに自分も墓に入れてほしいと懇願しているシリアスな状況の中、何もしらないシンゴ以外の少年たちは…

(少年たち)シンゴさんもうお墓のこと考えてんの?はやー。そんな言ってないで早く日本に帰りましょう!!!

(丸山)ふぉぉー 

(観客)<笑う>【補足】グループに丸ちゃんがいてよかった

(少年たち)この島に来れてよかった。島のみなさんありがとうございました。

(セーニャ)みなさん、元気で。たくましく生きてくれることを祈っていますよ。

(少年たち)<船に乗って帰る>

 おわり

 

【補足】この後、幽霊になったリョウが出てきてソロ曲を歌いながら船を見送ります。そして空からブランコが登場し、それに乗ります。(なんて下手な説明ごめんなさい)2013年の『ANOTHER』では重岡くんがブランコに乗ります。ジャニーズの舞台でブランコといったら、みなさんそれぞれ思い出があると思いますが、ジャニーズの舞台で「ブランコ」はけっこう大事なモチーフで、仲間の思いが一つになった時や希望に満ち溢れたときに登場します。『PLAYZONE』『少年たち』『Johnny’s World』それぞれのブランコを「ジャニーズブランコ史」的なものでまとめられたらいいのですが…時間が、、、資料はそろってます。

 

この舞台を成功させ、関西ジャニーズは息を吹き返します。話せば長くなることを話すのですが、大倉くんはこの舞台で、ジャニーさんに再度発見されます。そして、ドラムをたたいたことのない大倉くんに「1カ月でドラム叩けるようになったらグループに入れてあげるよ」的なことを言います。そして大倉くんは見事ドラムを習得し、関ジャニ∞のメンバーの一員になります。大倉くんがドラムに任命される話には、安田くんの影のアシストがあったりと色々なストーリーがあります。

関ジャニ∞が初めて8人で披露した曲「Do you agree?」このすぐ後に関ジャニ∞結成

 引用:ザ少年俱楽部 2002年12月1日放送

 

大倉くんはすぐに雑誌に載れたりスタートは順調だったのですが*1、心無い大人に容姿のことをからかわれ、それから笑うことができなくなり、それまでジャニーさんに褒められていたダンスにも影響し始めます。笑顔が無くなった大倉くんは「YOU全然よくないよ」と言われ、2軍に甘んじることになるのですが、この『ANOTHER』で岩に座っている姿をジャニーさんに再発見されます。

この舞台の後は、テレビのレギュラーも増え、少クラにも関西ジャニーズとして呼ばれ、デビューへの道を歩んでいきます。2年後の2004年にこの舞台の楽曲を取り入れたコンサートをしていて、「旅人」「レクイエム」等はDVD『Excite!!』に収録されています。舞台の雰囲気は味わえますので、気になった方は是非ご覧ください。

 

Excite!! [DVD]

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  • アーティスト:関ジャニ∞
  • 発売日: 2015/07/01
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『ANOTHER』2002版はこんな感じだったというブログでした。おわり

 

 

*1:Wink UP1997年12月号