『陽だまりの樹』を観劇してきました~ので、レポというよりはだらだらした感想的なものを
『陽だまりの樹』とは
手塚治虫先生作の日本の歴史を描いた長編漫画を原作に何度か舞台劇になった有名な作品。舞台は幕末期の日本、開国・西洋文明流、そして倒幕から戊辰戦争へという時代の流れが描かれています。タイトルにもなっている陽だまりの樹とはそんな当時の日本の姿を揶揄する名称で、江戸幕府の内部が慣習に囚われた門閥のしがらみで雁字搦めになっていた状況、つまりは中身が腐りきって倒れかけていること(樹木がシロアリ等々の虫によって中身が腐っているさま)を表しています。
tezukaosamu.net アニメのあらすじはこちらから
この作品で主演を務めるのは菅田琳寧くん(7 MEN 侍 / ジャニーズJr.)、一人称がりんねの菅田琳寧くんです。長年、時代劇への出演を夢みていた琳寧くんはずっと黒髪・ピアスも開けずこの時を待っておりました。事務所もこういう真面目な子好きよね~とか思ったりしていたのですが、事務所、すごい作品(仕事)を取ってきたなと。というのも、2012年の舞台『陽だまりの樹』*1は主演を上川隆也さん、そして脇を固めるのが吉川晃司さん、岡本健一さんとキャストの名前を聞いただけで白ご飯3杯ぐらい食べれそうな役者さんが演じてきた作品をジャニーズ以外の舞台に出演したことがない琳寧くんにこの仕事を持ってくるなんて事務所!!鬼畜の所業
事務所は手塚作品が好きなようで、今までもいくつか手塚作品の舞台に事務所の子を出させるわけですが、、、残念なことに手塚先生の身内の方にですね、、、酷評されることが多く、かなりハードルが高いわけです。そんな前途多難?にも思える状況ではございましたが、琳寧ちゃんしっかりと演じておりました。
あらすじ
時は江戸時代、幕末。
幕末。黒船来航以降、島国日本は開国派、攘夷派、保守派、尊王派、倒幕派と様々な者たちが現れての激動の時代。小石川に住む蘭方医、手塚良仙(中西良太)の息子として生まれた良庵(菅田琳寧)はお調子者の若者だ。世間の騒動など御構いなしに、暇を見つけては弟弟子(阿達 慶)と兄弟子(太田将熙)を伴って馴染みの蕎麦屋で油を売っているが、それでも医術の心意気は誰にも負けない強さを持っている。
或る日の帰り道のことだった。「西洋かぶれの蘭方医は死ね」と笠を被った数人の侍に襲われた。現場を通りかかった府中藩士の伊武谷万二郎(早乙女友貴)によって事なきを得たが、襲撃した者たちが国内の医療を一手に束ねていた漢方医たちの差し金だとわかったことで時代の荒波に飲まれたことを知る良庵だった。
幕末に生きた名もなき一人の若き蘭方医が叫ぶ。
「漢方も蘭方もねえんだよー。オレは人の命を助けたいだけだ」
徳川幕府に忠誠を誓い生真面目且つ不器用な万二郎はこの日、やたらと明るく熱い男(良庵)と出会った。二人は腐れ縁となり、偶然にもおせき(日比美思)という女性に恋をしていた恋仇と判明する。時代に翻弄されながら時には衝突をし、笑いあった。勝海舟(ダンカン)との出会いによって時代の裏に隠されていた真相を知る二人。
そのとき二人の運命は...。
樹齢二百五十年の桜の樹がそんな二人の姿を見つめていた。
引用:舞台『陽だまりの樹』 |公式ホームページ | 2021年3月 東京・大阪上演
公演概要
2021年3月5日(金)~14日(日)
東京都 ヒューリックホール東京
2021年3月27日(土)・28日(日)
大阪府 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
原作:
上演台本・演出:
出演:菅田琳寧(
菅田琳寧くんコメント
今回初めて主演舞台に立たせていただくのでとても緊張しています。
「陽だまりの樹」のお話をいただいた時はとても不安でしたが、主演を経験しているメンバーにすぐ相談しに行きアドバイスをもらいました。
手塚治虫先生の作品を汚さないよう、また「陽だまりの樹」ファンの方に「菅田琳寧の演じる手塚良庵は最高だ!」って思ってもらえるよう全力を尽くします。
引用:「陽だまりの樹」に7 MEN 侍・菅田琳寧「手塚治虫先生の作品を汚さないよう」(コメントあり) - ステージナタリー
観劇前に舞台雑誌を読んで
舞台を観劇する前は、とりあえず原作と舞台雑誌の記事に目を通してから観劇するにんげんではあるので(ケチなんで、チケット代1万を無駄にするもんか!!の意気込みだけはあるんで、、たまに意識飛んでますが)。さてさて今回、舞台雑誌を読んでいて正直なところ「琳寧ちゃん、、、大丈夫かな?」と心配していました。
「僕はそれまで演技の正解は一つしかないと思っていたんです。でも『答えは一つじゃない』と戸塚くんから言われて、、
引用:BEST STAGE » Blog Archive » BEST STAGE 4月号
この発言を見てからおババ心配で心配で、、、ですが、これは取り越し苦労に終わりました。ご本人さんの努力はもちろんのことですが、演出家の樫田正剛さんにだいぶしごかれたようで?セリフの流れも、セリフの掛け合いも非常にスムーズで安心して観れました。このBEST STAGE4月号ですが、琳寧ちゃんが戸塚くんや光一さんから受けたアドバイスを受けて見出した答え的なものが書かれていてよかったです。光一さんのファンの方もおそらくはご覧になられて、さすが我らが光一!!と思っていることでしょう。
舞台感想①琳寧くん
琳寧くんが演じる良庵は原作では、女にだらしなく一緒に飲んでいた子を連れ帰っては寝る人物なんですが、今回はお調子者だが医学のことになると本気になる人物として描かれていました。観劇する前は横山くんが主演されていた『マシーン日記』のように横山くんが腰を振り目まぐるしく体位を変える様を見ては奇妙な背徳感を抱きながら物語を観るのかと思いきや、全くそんなことはなく医学に実直な青年を琳寧くんは演じておりました。
原作では女にだらしのない良庵というのが彼の魅力の一つとして描かれているわけですが、今回の舞台で「お調子者」として描かれていたのは今の時代に合っていてよかったと感じました。今の20代の感覚って節操なく女を抱く奴ってマジでクズ、一人の女性も大事にできんやつとかマジ終わってるし、そんな奴に魅力とか感じるわけないっいう感覚があると勝手におババは思っているので、今回お調子者に変えてきたのは良かったかなと。 琳寧くんが演じたお調子者ってどんな感じだったかというと、Aちゃんが好きだけど、Bちゃんが自分のこと好きみたいだから付き合おっかな?好きじゃないけど、クリスマス前に彼女欲しいしさ~付き合ったら好きになるかも?みたいな男子。良い人だし嫌いじゃないけど、モテない、でも悪い奴じゃない的な感じでしょうか。
そんなお調子者を演じた琳寧くんですが、どういう男がモテるかは理解していて、、
「僕が思うに早乙女さんが演じる伊武谷万二郎のほうが熱い男という感じがするので、多分女の子ウケがいいと思うんです」
引用:BEST STAGE4月号
どういう人物が需要があるのか分かっている琳寧ちゃん、アイドルポイント100点です
さてこのお調子者の良庵ですが、医学のこととなると人が変わり誰よりも熱い人物に変わると言うのが今回のポイントです。ギャップですよギャップ。このあたりも上手に演じているな~うんうん状態でした。物語の重要なシーンでもある「漢方も蘭方もねえんだよー。オレは人の命を助けたいだけだ」、人を助けることができるのであれば日本でもアメリカでもどっちのやり方でも構わない。ただ目の前にいる患者を全力で救う。そのために自分がいると主張するシーンも熱がこもっていてよかったです。
演出カの樫田さんと稽古終わりにお話しをして、樫田さんの舞台にかける思い、役者に対する思いを聞いて頑張ろうって思ったと琳寧くんが舞台雑誌で答えていたんですが、舞台を観る限り、だいぶシバかれたんじゃないかなと笑 東京千穐楽を観劇したんですが、だいぶ仕上がっていたので大阪公演でもっとよくなっているのだろうと。
舞台感想②早乙女友貴さんかっこよすぎ問題
劇中で殺陣のシーンがあるのですが、いやぁねぇ、本物は違いますね。殺陣が物語の1シーンではなく、殺陣そのものがエンターテインメントでした(良すぎてびっくりしたということです)心のひょえーが止まらないとはこのことですね(はぁ?)
剣の握り方、手の添え方、振り切り方どれもが素晴らしく、かっちょえ~でした。
舞台感想③阿達慶かわいすぎる問題
観劇前から「阿達慶くんがかわいすぎる」的なツイートが目に入ってはいたので、ふ~んとは思ってはいたのですが、こっちは何十年とかわいらしい子たちを見てきたんだぞ、ちょっとやそっと可愛いぐらいで、、、、「か、か、かわいいぃぃぃ」コンマ1秒での敗北
あざとかわいい?そんなもんじゃない。どう考えても可愛い。100%可愛い。そう、それが阿達慶
しずパラのバッグについていて、ダンスが上手な子という認識はあったのですが、舞台での声がめちゃくちゃかわいい。もはや、きゃわわです
j-island.net フレームインの仕方も可愛い、そう、それが阿達慶
東京千穐楽はスタンディングオベーションだったんですが、この日だけだったのかな?琳寧ちゃんがそれを見て「うわぁあぁ」となっていたのが印象的でした。親御さんも来られてたよね?嶺亜くん・ポンさん・こんぴーも見学に来られてて、観客の視線がいろんなところに向いていた気もしますが、和やかなカーテンコールでした。
東京千穐楽:カテコ
琳寧:本日は『陽だまりの樹』に足を運んでいただいてありがとうございます。無事に東京公演を走りきることができました。皆さんのご協力あってのことだと思います。つい最近初日を迎えたばかりなのに、もう気づいたら東京ラストということで、本当に楽しい時間はあっという間に過ぎていくんだなと実感しました。本当に何がいつどうなるかわからないこの状況で、1公演1公演皆様にエンターテインメントを届けられたことを本当に嬉しく思います。大阪公演も無事に幕が開くことを強く願っております。
本日3/14ということで、僕から軽いプレゼントが、、、「ハッピーホワイトデー」(観客ややウケ)はははは、本当に暖かくて嬉しいでございます(?)。それでは、締めさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。
はい、そんな感じで感想終了です。