事務所 ほんまごめん

メモ程度に書きます

ジャニーさん味がなくなり、新たな時代を感じさせる『ANOTHER2021』

 

Lilかんさいが松竹座史上最少念座長を飾ることとなった舞台『ANOTHER 新たなる冒険』を観劇してまいりました。追加公演終了後に本格的なレポを書くかまだ決めてはいないんですが、とりあえず感想だけでも書こうかなと。ドリボレポぐらいは書けるんですがねぇ、誰も見てないブログをね、書く気力がなくてですね、、、見られても困るんだけど

ANOTHER 新たなる冒険

引用:ANOTHER 新たなる冒険

 

  今回の『ANOTHER 新たなる冒険』すごく良かったですね、うんうん。ジャニーさん味が誰にもわかる形でなくっていましたが、事務所的には舞台の演出、そして何より嶋﨑斗亜くんが事務所の性癖に刺さりまくっているんでしょうし、事務所がニヤニヤしているのが思い浮かぶぐらい勢いがある作品になったのではないかと。事務所〜本当はこういうことしたいんだよね?わかってるよ〜笑

 

 私が観劇した日にジュリーさんもいらして(いたよね?いや知らんがな)、その後追加公演が決まったので、事務所もさぞ気に入っていることなんでしょう!!!!松竹さん的には追加公演の期間はもともと「大阪松竹座 ステージ体験ツアー」をはめ込む予定だったけど、りとかんちゃんの出来がよかったから追加公演にしたのかな?なんて思っておりますが、真相は如何に…

 

 ジャニーさん味がなくなったということに対して、自称ジャニー担的には非常に好意的に捉えておりますので、こういったところがジャニーさんと違って面白かったねという論調で進めていきます。20年前ぐらいにあった関ジャニの『ANOTHER』からその後の『ANOTHER』を一緒に観劇してきたアナザー芸人仲間の亀梨担と観てきたんですが、彼女も「ジャニーどこ行ったんや!!!」と言っていたにで、過去の作品を観たことがある人は同じように思っている人も多くおられるのではないかな?なんて思っております。

 

亀梨担がブログに寄稿してくれました~感謝~

mihiromemo.hateblo.jp

 

なんとなくの流れ

『ANOTHER 新たなる冒険』は2002年の関ジャニをベースに、2013年の優馬君版と2017年関ジュ少年たちの組み合わせって感じでした。ベースは2002年と同じ

開演前にりとかんちゃんのアナウンスが流れます

全員:みなさんこんにちは。Lil かんさいでーす!!!
斗亜:本日はご来場いただき誠にありがとうございます。
風雅:開演に先立ちましてみなさんに大切なお願いがあります。
彪太郎:その1、マスクの着用は観劇中もお願いします。
琉巧:その2、観劇中のおしゃべりや歓声はお控えください。
西拓:その3、ただし拍手は大歓迎です。叫びたい気持ちをぐっと抑えてその分大きな拍手で応援お願いします。
斗亜:その4、上演中の飲食はお控えください。
風雅:その5、携帯電話の使用、録音録画はおやめください
彪太郎:その6、終演後はお急ぎの方もいらっしゃるかと思いますが、すぐにお席は立たず係員の指示に従っての退場をお願い致します。

全員:それでは『ANOTHER 新たなる冒険』をお楽しみください!!

 旅人を歌う

<空から轟音>
あの日、あの時、この国の空にに二つの太陽が輝いた。目が眩むほどの眩しい光、その閃光は僕たちの全てを飲み込み焼き尽くした

どかーん ごぉおおぉおおおぉお<原爆が落ちる>

<船の難破シーンに切り替わる>

浦が海に飲み込まれ亡くなる

 

あとは2002年・2013年と同じ感じです

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そもそも論として『ANOTHER』を考えよう

 初演SMAP・キンキから始まった『ANOTHER』ですが、まぁジャニーさんこの作品好きだったんでしょうし、何より「この作品が上演される=ジャニーが関西でデビューさせたい子がいる、それを見極めるための作品」だったというのは共通認識であるかとは思います。2013年版については、ジャニー大好き中山優馬くんを輝かせるために10年ぶりにこの作品を復活させ、そして関ジュ版でも7WEST・B.A.D.に要所要所で重要なセリフを与えた作品になっていました。

ってか優馬くんの舞台観に行くけど緊張してきた

mitsubachi-enrai.jp

 

 さて、ジャニーさんは成長を楽しみにしている子にハムレットのセリフを言わせ『ANOTHER』でもその傾向がみられていたのですが、今回は少し違った形でハムレットのセリフが取り入れられていました。今までは「満天の星よ」からハムレットのセリフが始まり、セリフを発している人物自体がハムレットになっていたのですが、今回は嶋﨑斗亜くんがハムレットのセリフを言うものの「自分とハムレット」という視点から語られるセリフが取り入れられていました。「ハムレットはこう言っていた~」「ハムレットも同じように悩んでいたんだな」的なセリフがあり、ハムレットに成り代わる演出というよりかは、「ハムレットを通して自分を見つめる」という視点が取り入れられたのかなと。これは今までなかったパターンかなと。※ハムレットに成り代わっていないというわけではありませんが

 

ハムレットに成り代わりセリフを吐く」も「ハムレットを通して自分を見つめる」も同じっちゃ同じなんですが(主人公がもがき苦しみ、答えに辿り着こうとする様)、ジャニーさんは自分の好きな子がハムレットを演じている姿が癖だったというか、その姿を目に焼き付けたいという欲求があったと思うので(クリエで井上瑞稀くんに満天の星よを言わせたりね、、、クリエでだよ?)、それが少し薄れたかな?という感じです。まぁジャニー!!!!ではなくニナガワ~~~だったっていう話です。だよね?

 

雪は降るのだが、、、

 今回も『ANOTHER』恒例の真夏の島に雪が降るというシーンがあるのですが、、、なぜ南の島に雪が降るのかという点が少しぼやけたかな?と感じたんですが、みなさんいかがだったでしょうか?

 この「雪が降る」はセクシー達の『Sexy Summerに雪が降る』やSnow Manの名前の由来、2017年関ジュ主演舞台『少年たち〜南の島に雪は降る』にもオマージュが捧げられている映画『南の島に雪が降る』が元ネタになっています。

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  ジャニーさんがお体悪くされていた2017年ごろからは元ネタを包み隠さずそのままぶっこんでくるというスタイルを導入し始めたので、オマージュというかなんというか状態ではありましたが、、、、

 

 この映画は第二次世界大戦中に日本から戦地ニューギニアへ送られ、瀕死の状態に陥った兵士が紙で作った雪が降ってくるのを目にし、二度とは帰れない故郷や母親を思い出し死んでいく話が入っています。未来ある若者が志半ばに戦地で死に、故郷に帰れない戦争の非情さを「雪」で表しているので、「雪」が出てくれば「帰れぬ故郷(鞍馬の雪や~)」「二度と会えない母親」の話が入るのですが今回はそうではありませんでした。おもしろいですね。

 

 今回は雪が降ってきて、お兄ちゃんと雪遊びした記憶が走馬灯のように駆け巡り、大好きなお兄ちゃんにもう一度会えるの楽しみだな♪るんるん♪➔死って感じでした。そして注目せねばならないのが、このシーンでかかっていた「きよしこの夜」です。これは確か2013年のアナザーから取り入れられたはず、、、2002年はなかったと思うんですが…調べます。きよしこの夜は平和を願うクリスマスソングとして知られていますが、元々の歌詞には民族紛争の和解と平和の訪れを願う歌詞が入っていたとかなんとか。少し違えど今回も「雪」=「平和を願う」ではありました。

 

あれ?担がないの?

 ジャニーズ事務所はジャニーさんと野球少年が『ウエスト・サイド物語』を観たところから始まっているので、誰かが死んだらトニーの様に担ぐし、ジュニアコンでも担いでは棺桶に入れて、棺桶からじゃじゃーんといきなり出てきてスリラー曲をするというジャニー大好きシーンだったはずのですが、、、今回は担いでいなかったんですよ。これはあえて担がなかったのか?どうなのか?小柴陸くんが千田藍生くんをお姫様抱っこして秒で捌ける流れになっていました。あとドリボでも出てくる天井から降ってきた花が床に刺さるやつも無かったです。

 

 そなた夢はお持ちではなくて?

 ジャニーさんの作品では「夢」を持つことの大切さを説く話が多く、関ジャニのアナザーでも島を出て日本に帰ってからバンドを組んだりそれぞれの夢へ向かって歩みだしていたのですが、今回はそのような話はなかったかな?と。このジャニーの「夢」を持たなければならない論は、戦争中は子供が夢を持つことができなかったことと、朝鮮戦争時代にジャニーさんが板門店で戦争孤児に英語を教えていた時に、戦争孤児たちに軍人たちの衣服の洗濯をさせるお代として少額のお小遣いをやることで彼らの目が輝きだした(彼らが大志を抱き始めた)ことに感動し、「夢」を持つ大切さを身を持って知り、若者に「夢」の大切さを説いているわけです。入ったばかりのジュニアをコンサートに出演させスターになる夢を抱かせたり、ホテルのスイートルームに連れて行ってきらびやかな世界を見せ 成功者になる夢を抱かせようとしたりと、なにかと夢にこだわっています。夢を成し遂げようとすることがモチベーションに繋がり、それがイノベーションになるってやつです。ジョブスとジャニーは同じことを言っていておもしろいなぁと個人的には思っておりますが。

 

 今回のストーリーにジャニーの「夢」理論が適応されたなら、西拓は島に残らず死んでいった仲間の分まで生きる、彼らが抱いていた夢を日本で叶えるという話になったんじゃないかな?「ウラとアオイの分まで僕は生きる。アイツらが叶えられなかった夢を実現せなアカンねん。それが残された人間の務めだ!!!」ぐらい言ってたんちゃうかな~なんて。戦地で亡くなった奴の分まで精一杯生きるのがジャニーの作品のテーマかと思っておったのですが、、、誰か教えてくれ~

※ちなみに夢理論が適応されたのは2002年だけで2013年と2016年は適応されていません。島に残っています。2002年は村上くんが島残ると言ったら、お母さんにこの島はあなたがいるべき島じゃない、日本へ帰ってお父さんみたいに強く生きなさいと諭されます。

ジャニー夢作品

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 ぶらんこどこいった?

『ANOTHER』といったらぶらんこなんですが、今回ぶらんこなかったんですよ!!ジャニーズで出てくる「ぶらんこ」って、黒澤明監督の『生きる』という映画のオマージュなんですが、、、

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  いつものアナザーならば、皆で船に乗って日本に帰る時に空にかかったブランコに錦戸くんとかが乗って一緒にみんなで日本に帰るというシーンになります。島での生活を得て、日本でどう生きるか、どう生きていくか、こう生きていこう!!!と少年たちが心に誓ったシーンでぶらんこが出てくるんですが、今回はなかったです。まぁでもぶらんこ見飽きたし、ええか笑

 

 ハムレットよ、お前誰の訳のハムレットやねん

 ジャニーズ舞台のハムレットは『PLAYZONE MASK』から始まり現在の『SHOCK』『ANOTHER2013』で度々出現していますが、大方同じような訳が使われています。

満天の星よ 大地よ 俺をしっかり支えてくれ

この身を忘れるなよと ああ忘れるものか

この狂った頭に記憶が残っている限り

 引用:『SHOCK』

生か死か それが問題だ どちらが男らしい生き方か

裏切り者に死を その胸に剣を

 引用:『SHOCK』

おお、満天の星 大地

そのほかに何があるというのか

地獄 ええいばかな しっかりしろ気を確かに持て

五体を支える筋肉ども 萎えるな 

俺がここで見つけるのは明日への光明か

それとも、過酷なる試練なのか いや、大丈夫

 引用:『ANOTHER2013』

 

さてさて、今回の『ANOTHER2021』では

生きてとどまるか、消えてなくなるか それが問題だ

どちらが雄々しい態度だろう

やみくもな運命の矢弾を心の内でひたすら耐え忍ぶか

艱難の海に刃を向け それにとどめを刺すか

死ぬ、眠る それだけのことだ

 なんと!!!松岡和子先生の訳が使われておりました!!!!

今まで、小田島雄志先生・河合祥一郎先生・そしておそらくジャニー訳が使われておりましたが、今回は松岡先生でした。ジャニオタ履修せねばならない訳が増えるの巻

 

事務所よ、嶋﨑斗亜くんをどうする気だ問題

 勝手に考えてシリーズですが、、、今回の舞台の配役オーディションは少年たち2019年に続きシェイクスピア劇が取り扱われました。2019年少年たちではロミオとジュリエットを題材に「向こうは東、ジュリエットは太陽だ。昇れ、美しい太陽、そして、妬み深い月を殺してしまえ」の場面を、今回の『ANOTHER』についてはパンフレットを参照ください。

 さてさて、2019年より関ジュ舞台に井上尊晶さんが参加されたことにより、だいぶと蜷川色が強まり事務所は喜んでいることだと思っております(コロナ禍で床を這いずり回ったのは藤原竜也さんか斗亜くんぐらいでは?事務所絶対好きでしょこの演出)そこで生じるのが嶋﨑斗亜くん初主演舞台に何を持ってくるんだ問題!!!『近代能楽集~弱法師~』?『身毒丸』?可能性のかたまりで大変期待しております!!!!って話です。

 

りとかん 可能性のかたまり過ぎる問題

改めてLilかんさいってそれぞれ個性豊かですごいなと。事務所が松竹座史上最少念座長を飾らせる理由もわかる気もしますし、素晴らしいなと。

西拓ちゃんもよかったし、風雅くんは尊晶さんから演技指導受けれてよかったと言ってたし、彪太郎くんは普通にかっこいいし(重要)、るーくは今までジャニーズにはいなかったタイプの子だと思うし、りとかんちゃん素晴らしい!!!とおババ思いました。

 

あとがき

ありがたいことに追加公演もいけることになりましたので、レポするなら5月中旬でしょうか?いろいろツッコミどころはある舞台でもあったと思いますので、そのあたりを書ければとは思います。ではでは