事務所 ほんまごめん

メモ程度に書きます

中山優馬くんは素晴らしいのだが、案件過ぎた シンフォニー音楽劇「蜜蜂と遠雷」 雑感

 

中山優馬くん主演 シンフォニー音楽劇「蜜蜂と遠雷」を観劇してたので雑感

 

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引用:シンフォニー音楽劇「蜜蜂と遠雷」~ひかりを聴け~ 公式ホームページ | 2021年3月~5月 横浜・大阪・福岡上演

 

蜜蜂と遠雷とは

 史上初の快挙となった「直木賞」と「本屋大賞」をダブル受賞した恩田陸先生の作品。3年ごとに開催される芳ヶ江国際ピアノコンクールを舞台に、数多くの天才たちによって繰り広げられる競争、己との戦い、人間の才能と運命を描く青春群像小説。ジャニーズでも岸くんや勝利くんがこの本を読んでいると告白して話題に。そして、2018年にはA.B.C-Zの橋本良亮くん主演で朗読劇として上演。

A.B.C-Z橋本良亮「蜜蜂と遠雷」オススメ楽曲に「涙がボロボロ落ちてきてしまって」と感動!アイドル入れたシーンへは期待持たせる

 

歌う中山優馬は最高だった

 今回の舞台は演出がいわゆる「案件」で(ジャニオタが恐れているのはもはや文春ではなく「案件作品」ではなかろうか。事務所は早く「案件」とソーシャルディスタンスをとってくれよ)、チケットを申込むかどうするか非常に迷ったのも事実で、こうやって「案件」に拒否感があるにもかかわらずチケットを購入することがより事態を悪化させるのではないかとずっとモヤモヤしていた。しかしやはり優馬くんが歌う姿を見たいという欲に負けて粛々とチケットを申し込む。良くない自分の一面だと思う。

 

 この舞台のために優馬くんが未経験のピアノを弾きこなすためにすごく努力している様子や、優馬くんからピアノと格闘している話を聞いて戸塚祥太くんが刺激を受けたと言っていて、かつてのPLAYZONE組が舞台に立ち、しかも主演や座長として舞台に立っていることに非常に励まされた。あの暑い夏に流した汗や涙が彼らを成長させ、着実に前へ進んでいる姿とは対照的に何らあの頃と変わっていない自分に焦慮をさえ感じる。

 

 ジャニーおじいちゃんは困ったことにショービジネスで輝くスターを生み出したいとういう思いを抱いているため、それに叶うお気に入りの子を見つけてはいきなりグループのセンターに据え、本人の意向を無視してソロデビューをさせしまうのだが、傍から見て優馬くんにおいてもそういったことが少なからずあったように思う。ジャニーズ事務所で個人活動をすることは、グループのスケジュールに左右されず比較的自由に仕事を選べ、グループの方向性に左右されずに作品を選べるという利点があるにせよ、昨今のトレンド入り至上主義・SNSで話題になることに重きを置きつつある芸能界ではグループに所属していないというのは主催者側から弱点と捉えられるかもしれない。そんな中でも優馬くんはオーディションで勝ち取った主演ドラマ作品『北斗 -ある殺人者の回心-』で世界四大映像祭典の一つであるバンフ・ワールド・メディア・フェスティバルでロッキー賞を獲り、日本を代表する演出家の栗山民也氏演出舞台『ゲルニカ』に出演したりと着実に演劇界の高みに上り詰めていることは敬服の念に堪えない。

 この舞台は案件なので内容には触れないが(もはや触れる内容が無いのだが)劇中でベートーヴェンの悲愴を基に作られた『休息』とういう曲を歌いあげる優馬くんが非常に素晴らしかった。この良さをうまく伝えられるような文章力も語彙力も持ち合わせてはいないので申し訳ないのだが、ただただ「歌っていいな。人が歌うってこんなにも美しいんだな」と。正直なところ優馬くんの歌が一緒にハーモニーを奏でたソプラニスタ木村優一さん・元宝塚の湖月わたるさんに歌唱力・技術に勝っていたという訳ではないのだが、観ている人の感情に訴えかける何かがあったのは間違いない。ジャニーズの舞台ではオタクを舐めているからか知らないが、所謂エモいエピソードを入れとけばオタクは泣くんでしょ?満足するでしょ?のようなストーリーとは関係ないところで泣かせようとする展開があり非常に腹立たしいのだが、優馬くんの歌には「後から自分が泣いていたことに気づいた」や「頬をつたう雫が涙だと気づくまでに時間がかかった」のような、悲しくも嬉しくも悔しくもないのに流れる涙があって、自分が感情表現をインプットされたロボットではなく、自分でも理解できない涙を流すことのできる血の通った人間なんだと気づかせる強さがあった。この場面だけはあと何回か観たいと思った。

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奥村くんがよかった

 奥村くんの声が非常に良いというジャニオタならだれでも知っているようなことを恥ずかしげにもなく述べるのだが、本当に発声が素晴らしかった。声のトーン・抑揚・会場の後ろまで届くしっかりとした発声を聞くだけで拍手をしたくなるほどであった。少し残念だったのが役柄的に演技に動作がないシーンが多かったので、もう少し体を使って表現している場面を拝みたかったのが正直なところ。しかしながら本当に素晴らしい「声」だった。また、カーテンコールの際に「関西ジャニーズジュニアとして~」と無所ではあるが自分も主となって関西を引っ張っていくぞという気持ちを伝えていて良いなと思った。

 

案件過ぎて、、、

 一緒に観劇する予定にしていた亀梨担から「案件なの?コロナワクチンの副反応よりキツイじゃん」と言われ、最初は笑っていたが観劇後はただただ失笑。案件をご存じの方は同意していただけるかと思うのだが、「謎の映像」「謎の暗転」が舞台で展開されていた。今回もこの映像(字が流れるバージョン)が展開されていたわけだが、前方端の席のため死角になり見えず「おそらく何かが起こっているんだな」と、、、そんなレベルですよ笑 笑ってるけど怒ってるんだぞ事務所!!それ以外にもいろいろあったんだぞ事務所!!

 

 演劇界の人々が「脚本・演出が良い」から仕事の依頼をしているというならまだ納得はできるのだが、締切を守る・コンスタントに仕事をこなせるという理由で仕事を振っているのなら、、、オタクなめられたもんだ。演劇界から聞こえてくる「エンターテインメントの灯を絶やすな」という声にはもちろん賛同するのだが、その灯を消しているのオーディション無しに配役を決める・時代にそぐわない表現を当たり前のように使う・そしてなにより案件に案件をふることで自らエンターテインメントの灯を消しているのではないですかと問いたくなる今日この頃です。

 

中山優馬くんがとっても素敵でしたというブログでした